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締め付けトルクについて

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センターナット(ボルト)締付けトルクについて

弊社製造のステアリングボスは事故の際、運転者のダメージを軽減する為に、軸方向に大きな荷重が加わると破壊するように設計されています。そのため、取扱説明書や製品付属の注意書きにも3kg・mの締付けトルクを厳守して頂くようにお願いしております。
一般に、十字レンチ等を用いて、平均的な成人男子が両手を使って締付けた場合、6kg・m程度を簡単に負荷することが出来てしまい、いわゆる「あたりが出る」まで締付けようとすると、10kg・mを越えるトルクが生じてしまいます。(ホイールナットの推奨締付けトルクが11kg・m近辺であることを考えれば当然の仕組みです)また、適正トルク(3kg・m)内であるのに割れてしまった、というお話も稀にお伺いしますが、「テーパー」(先細り)部分にグリスやオイル等が油脂が付着していると、適正トルク内でも「滑り」が生じて割れに至ることがあります。

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全品番共通

ステアリングシャフトをペーパークリーナーで脱脂し、ダイヤル表示式のトルクレンチでセンターナットを締付けました

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割れ

テーパー部に油脂が付着している場合はこのように黒っぽい圧痕※になりやすく、脱脂洗浄した場合でも過大なトルクで締付けた物は、黒い圧痕も見ることができます。その圧痕は鏡のように光る鏡面状や、うっすらと光る半鏡面状になります。

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3kg・m TEST

テーパー内面にうっすらと圧痕※が残っている。

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4kg・m TEST

3kg・mでのテストに比べ、圧痕※が黒くなっている。
※【圧痕】 テーパー内面に黒い円周状に残る痕

ボルトの座面からもトルクの大小がある程度判断可能です。

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割れ

テーパー部に油脂が付着している場合はこのように黒っぽい圧痕※になりやすく、脱脂洗浄した場合でも過大なトルクで締付けた物は、黒い圧痕も見ることができます。その圧痕は鏡のように光る鏡面状や、うっすらと光る半鏡面状になります。

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3kg・m TEST

ボスの座面に円周状についた摩擦痕がうっすらとしか確認することができません。

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4kg・m TEST

3kg・mと4kg・mとの差はほとんどありません。

※この参考資料はスプリングワッシャを使用しないタイプです。ホンダ車以外の多くは付属のナットとスプリングワッシャを使用し、その場合センターナットを緩める際にアルミ部分に大きく削りながら緩みますので、摩擦痕からの推測はできません。

注意!!純正のステアリングシャフトは、鋼で作られていますが、焼き入れ等をしていない、いわゆる「生」の弱い鋼です。社内テストでも締付けトルクが6kg・mを越えるとステアリングシャフトのネジ部、テーパー部が伸び始めてしまいます。結果、センターナット(ボルト)を過大なトルクで締付け、ステアリングシャフトが伸びてしまう事で、「車体側の部品を必要以上に押して破損してしまう」または純正ステアリングに戻しても「正確な取付が出来ない」等の障害につながる恐れがありますので、充分な注意が必要です。